高齢派遣がまったく恥ずかしくない時代

40代で派遣の仕事しかできない現状を恥ずかしく感じている人が一定数いる。だが、介護業界においては何も恥ずかしがる必要はないのである。なぜなら、介護業界では派遣で働くことがすでに一般的になってきているからだ。

施設で働く介護職員は、まだ常勤の人が多い。しかし、訪問介護を担当する人たちはほとんどが非正規雇用の人たちなのである。厚生労働省のデータでもそれが見てとれる。訪問介護の世界では、実に約8割もの人たちが非常勤で働いているというのだ。非常勤と言っても、派遣会社を通さないケースもあるだろう。しかし、派遣会社を通している率が多くなければこれだけの割合にはならない。派遣率としては相当に高い数字が出ることが予想される。

また、年齢に関しても介護の世界なら何も恥ずかしがることはないのだ。何しろ、すでに介護の世界では労働者の平均年齢が40歳を超えている。40代というのは、介護業界ではむしろ平均的で普通のことでしかないのだ。50代や60代の人も多い現場なので、その人たちからすれば若いとさえ言える。こうした理由があるため、何もコンプレックスに感じる必要はないのである。生き生きと自信を持って働いて何も問題はないわけだ。以上のようなことは、実は医療業界にも共通して言えることになっている。看護師の世界でも同じように派遣率が高くなり、労働者の平均年齢が上がっている現実がある。今後は様々な職種で、ごく当たり前のことになっていくのではないだろうか。高齢派遣が恥ずかしいという時代はもう過去のものだ。